変形地でも家族のくらしは四角く整う
2025.10.16
家づくり相談室スタッフブログ

家づくりの第一歩は、建てる土地を知ることから始まります。
設計ではまず、現地を訪れ、土地の形状や高低差、隣地との関係、そして眺望の良し悪しを丁寧に確認します。
これらの条件を把握することが、住まいづくりのすべての基盤となるからです。
今回の敷地は、「変形地」です。
まずはこの土地にどの程度の矩形=四角い建物ボリュームが収まるかを探ります。お客様の条件をお聞きし、必要な面積を算出し、仮想的に配置していくことで、プランを固めていきます。
プランでは、建物の中央に中庭を設け、そのまわりをぐるりと囲うように居室を配置しています。これにより、光と風をしっかりと取り込みながら、外からの視線を遮る明るく開放的な空間が生まれています。
敷地の南側は道路に面し、北側には遠くまで田んぼが広がるというロケーション。
一般的には「南にLDKを配置して日当たりを確保する」ことが多いのですが、今回はあえてその定石を外しました。
家族が自然と視線を向けるのは、道路側ではなく、中庭や北側の田園風景。
その方向に開くことで、プライベートを守りながらも、のびやかで穏やかな時間を感じられる住まいになりました。
土地の個性に合わせ、暮らしのかたちを整えることを意識した家づくりの事例でした。